社会資源「心の金曜日」エッセイ集

答えることと応えること

答えることと応えること

答えると応える、どちらもこたえると読みます。

 

 

こちらの記事の前半は、コチラに移動となりました。

 

 

ここで例題です。
あなたは後輩から、「先輩、今日、お時間ありますか?」と、声をかけられました。
この場合、先輩として、答えるべきでしょうか? それとも応えるべきでしょうか?

 

「時間はない」と言ってしまえば、答えただけになりますが、
「今日はちょっとないけど、何か僕に用?」と言えば、応えたことになります。

 

正解は、言わなくてもわかりますよね。(o^-^o)

 

 

あなたは、答えるべき時に応えていませんか?
応えるべき時に、答えていませんか?

 

 

私がメールによるカウンセリング、電話によるカウンセリングをやめた理由は、
メールや電話は、答える分には事足りるのですが、応えなければならない時に、
どうしても不十分になってしまうからです。

 

何故かと言うと、応えるというのは、何を書くか何を言うかということが問題ではなく、
どういう姿勢・表情・態度を示すかによって、その適否が決まるものだからです。

 

子どもを亡くしたお母さんに向かって、「そうですねえ、どうして死んでしまったのでしょうねえ」と言う時、どんな姿勢・どんな声・どんな表情で喋ったらいいか?ということの方が、喋った中身より重要であるということは、皆さんにもご理解できるかと思います。

 

メールでは、言葉しか伝わらない、電話でやっと、声色だけ…、
これじゃあ、クライエントの訴えに応えることなど出来やしない。
これが、私が、メールや電話によるカウンセリングをやめた理由です。
メールや電話は、答えることには適していても、応えることには適していない、
それが私の結論です。

 

ただ私は、メールや電話によるカウンセリングを否定する者ではありません。
メールや電話は、誤解を招く恐れが大きいものではありますが、その危険性を互いに(カウンセラーもクライエントも)認識していれば、メールによるカウンセリングも電話によるカウンセリングも、十分に有用なものだと思います。

 

これから、メールや電話によるカウンセリングを受けてみようかなあ… と思ってらっしゃる方については、自分は答えて欲しいのだろうか? それとも応えて欲しいのだろうか?ちょっと考えられてから利用されてみては如何かと思います。

 

答えて欲しい時には、「教えて欲しい」「具体的なアドバイスが欲しい」と言えばいいし、
応えて欲しい時には、「話を聞いてくれるだけでいい」と言えばいいと思います。

 

勘のいいカウンセラーなら、そんなこといちいち言わなくても、
クライエントの様子から、大体はわかるものですが、やはり電話やメールだと難しいです。

 

 

最後に、またまた、カウンセラーの皆さんには、「臨床の場に立つからには、答えられる知識と応えられる感性の両方を、しっかり持っていて下さい」とお願いして、私の長い文章を終わりたいと思います。

 

 

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